山内一豊と妻と馬
先日、
「君の一番好きな戦国武将は誰か?」
という質問を受けました。考えたこともなかったので、即答できなかったのですが、あとから山内一豊かなと思いました。
司馬遼太郎の「功名が辻」で読んで、一代で土佐24万石の大大名まで成り上がった人生に、とてもときめきを感じたことを覚えています。
堅実な性格を持っており、常日頃は倹約に努めていたそうです。妻をとても大事にし、女遊びをすることもなく、周りの人からも、珍しがられていたようです。でも、ここぞの場面では、天運をかけた大博打を打つことができるのも山内一豊の魅力です。
有名な馬を買う話があります。
あるとき、名馬を育て上げた人が馬を売りにきました。誰が見ても名馬だとわかりました。山内一豊も感動して、いくらかと聞きました。すると、
「あなたはいくらだと思う?」
と聞き返されたので、山内一豊は「10両」と答えました。当時2-3両で家が建つくらいの物価だったので、まさに破格の値段をその馬につけました。馬売りの人は値付けに感動し、「ぜひあなたに売りたい」というふうに思ったのですが、当然そんなお金を持っていませんでした。
家に帰った一豊は妻の千代に、日中あった話をしました。すると、千代が10両持ってくるのです。嫁入りの時に、持たされていて、万が一の時に使えと親に持たされていたお金でした。
そのお金で馬を買い、一豊は「10両で馬を買った男」として、国内で有名になり出世のきっかけとなっていきました。
私がすごいなと思うのは、まず名馬の価値を見抜いた一豊です。値切ったりしようとするのではなく、真正面から高値をつけたのは素晴らしいと感じました。
また、妻も話を聞いて虎の子の10両を夫の見抜いた馬に全がけする胆力のようなものにも凄みを感じました。夫との絆を感じますね。
この買い物が成功であったのは、今こうやって語り継がれていることからも明らかではないでしょうか。
普段は倹約に努め、ここぞという時には大きなお金の使い方をするというのは、これからの人生意識していきたいところです。
株式投資でも、ここぞという銘柄、タイミングでは大きく張れるような胆力を持ちたいところです。
そして、今は一介のサラリーマンで、資産もない私ですが、いつか大きくなれるようにという願いも込めて今回書かせてもらいました。